世の中ではARだのVRだのと、なんちゃらアールという言葉をよく聞くようになりましたが、そもそもこの「なんちゃらアール」とは一体何なんでしょうか?
基本的過ぎてあまり大きな声で人に聞けない方のために、今回はこの「なんちゃらアール」についてご説明したいと思います!
ARやVR、最近ではMRなんてキーワードを耳にする機会が増えたかもしれませんが、このAR/VR/MRなどを総称する呼び方が「xR」なのです。
なので「xR」の「x」は、他のAR/VR/MR等と区別できるよう、あえて小文字書きにしてあることが多く、この「x」こそが「なんちゃら~」の部分にあたるのです。
では、「R」は何かと言うと、これは「Reality(現実)」のことを指していて、「xR」とは「なんちゃらReality」のことなんです。
そして、この「Reality」とは現実のことなので、xRとは全て、何かしら現実の映像を加工した技術の総称のことを言うのであります。
じゃあその「xR」とはどんなものがあるのか見ていきましょう!
「Augmented」=「拡張」ということで、「拡張現実」と呼ばれたりもします。
「拡張」という言葉の通り、現実をベースに拡張した映像表現を行うもので、例えばスマホを通じて撮影した現実の映像に3Dオブジェクトを重ねて表示するなど、あくまで映像としては現実世界のものなのですが、そこにデジタルの映像を「拡張する」のがARとなります。
参考事例:XR Collection&Museum
スマホでの利用が多く、手軽に利用することができる。
手軽に利用はできるが、「拡張」の部分が弱いと得られる価値も弱くなってしまう。
お次は「VR」ですが、VRは聞いたことある方が多いかもしれませんね。
「Virtual」=「仮想」ということで、今度は「仮想現実」です。
現実が仮想になっちゃうということなので、現実は全て消えて、代わりに仮想の空間が表示されるのがVRということになります。
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使用して利用するものが多く、視界を全て覆った上で仮想の世界を表現するものが主流となっています。
VRと言えばコレ!:Oculus Quest
没入感に優れ、イメージ・雰囲気等を演出しやすい。
移動を伴う体験には酔いが発生しやすい。またHMDの装着が面倒くさい。
「Mixed」=「複合」なので、MRは「複合現実」です。
現実との複合と言うと、ARと何が違うんじゃとなりますが、ARはあくまでも現実世界を主軸に映像を加工するのであって、MRは現実と非現実部分を文字通り「複合」させているというコンセプトの違いがポイントです。
例えば、部屋の壁の柄を全てMRで置き換えた場合、「壁」という現実の存在はそのままですが、柄の部分が非現実であるため、この2つが複合してMRと呼ばれることが多いのです。
空間認識をする場合では、家具の裏をキャラクターが歩いたりすることができるので、ARよりも表現の幅が広がります。
参考事例:キヤノンが手掛けるMRデバイス「MREAL S1」
視界全体を対象にできるため、ARよりも広い空間を扱うことができる。
やはりHMD型は装着に伴うめんどくささが残る。ただ非HMD型も出てきてはいる。
これはなじみのない方がほとんどではないでしょうか?
「Sabstitutional」=「代替」ということなので、「代替現実」と訳されたりします。
現実世界の映像を、他の映像で置き換えるという点はVRっぽいのですが、「あたかも」現実の映像のように見せることで、非現実を現実と感じて映像を捉える点で、現実を「代替する」という意味からSRと呼ばれています。
ちょっとわかりにくいのですが、理化学研究所の研究で、現在ではない過去の映像を被験者に現在だと認識させる実験が行われており、これがSRとして有名な認知実験となります。
理化学研究所:もう1つの現実を体験する「代替現実システム」を開発
新たな感覚、心理・認知の分野での利用が期待されている。
利用シーンが現在では非常に少ない。
xRが抱える現在の課題と言えば、HMDだったりVRの酔いなんてものが挙げられるかと思いますが、私個人の見解としては、撮影対象の反対側のものが見えないという根本的な要素がxRの持つ大きな課題と捉えています。
3Dモデルなどを使って視点の反対側を作ることは可能ですが、写真や映像などのリアルな2Dメディアから、映っていないその後ろがどうなっているのかを正確に表現するのは非常に難しいでしょう。
極端な話をすれば、人の背面はAIなどが強化されてうまくいくかもしれませんが、建物の内部や、機械の中など、そもそも撮影ができない部分について映像を補完することができない点は、技術的にも倫理的にも大きな課題の一つと考えています。
そんな中、Googleが発表してきた「Project-Starline」というテクノロジーが注目を浴びています。
これは実際の映像とCGの融合で、実際に映っている対象をCG化して、見えない(映ってない)角度からの映像をCG合成し、様々な角度からの映像を表現することができるというテクノロジーです。
これが実用化されれば、映像を通じたコミュニケーションは最早旧来のディスプレイのような2Dではなく、そこに誰かが実際に存在するかのような実在感がより深まった映像表現が可能となるでしょう。
というわけで、今回のxRに関する概要は以上となります。xRついての理解は深まったでしょうか?
少しでも得るものがあれば幸いです。
xR開発を考えている企業様・ご担当者様、お気軽にお問い合わせ下さいませ!私コジマが責任を持って対応させて頂きます!
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